気になる「口臭?衛生」高機能化するオーラルケア
オーラルケア市場のなかで、歯磨は泡立ちやフレーバーなどの嗜好性が強く求められるため、リピート率が高めで、ブランドロイヤリティも比較的強い商品といえるらしい。
最近のトレンドとして「初期虫歯ケアの高機能化」が挙げられ、歯の再石灰化を促進し虫歯の初期段階で予防する機能性歯磨が多くなっているという。
女性に関心が高いのは「ホワイトニング効果」。女性の喫煙率が高くなっているせいか、カフェブレイク普及のせいか、ステイン(着色汚れ)を落とす「美白歯ケア」ニーズが拡大している。
一方50、60歳代の半数が歯槽膿漏などの歯周病にかかっているといわれ、高齢者の関心は「歯周病対策」。
このように女性、高齢者などターゲット別の商品開発も高価格帯歯磨に多く見られる。
また虫歯の原因にならないだけでなく、歯の再石灰化を増強するシュガーレスのガムやキャンディ等の機能性菓子も幅広くラインナップしてきている。一時のボトルタイプブーム以後、一段落したかのようにみえたのもつかの間、最近では口臭予防を目的とした「息さわやか系」カテゴリーが好調らしい。従来、オフィス等での食後の歯磨きがわりの虫歯予防やドライブ中の眠気防止が主な目的とされてきたが、移動中に噛むことも多くなってきているようで、気分のリフレッシュや仕事でのストレスを和らげたりといったニーズもトレンドアップしてきている。
シュガーレス粒ガムを代表とする機能性ガムの機能要素には、ミントを主とした息さわやかフレーバーの「口臭対策」系。精神的なリフレッシュを目的とした「気分転換」系。虫歯の原因になりにくい甘味料キシリトールやホワイトニング効果のアパタイト配合の「虫歯予防」系。メントールやカフェイン配合の「眠気対策」系。ヒアルロン酸やコラーゲン等、美肌成分配合の「美容」系など、大きく5系列が挙げられる。
これらいくつかの要素をかけあわせて「息も、気分も、眠気も、もっとスッキリ」ということになるのか。参入企業各社のブランドのリニューアルを含めた新商品展開によるユーザー層の争奪戦、ひいてはガム市場全体の活性化が期待される。
欧米人の口臭予防対策のイメージが強い洗口液(液体歯磨)マーケットは、80年代半ば頃に登場した米国企業が創出したという。当時は口臭予防が主な使用目的だったが90年代に入って虫歯や歯周病予防を目的とする薬用液体歯磨へと変貌してきているようで、これもまたオーラルケア市場の動向とともに変化してきている。いずれにしろ、私たちの欧米化した食生活が口臭予防に意識を向かわせているといえます。
昔、アパタイト入り高価格帯歯磨き剤が「芸能人は歯が命」のCMで大ヒットしたことがある。現在のオーラルケア市場は「歯きれい」に加え「息きれい」がヒットの鍵を握っているようだ。
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