有望市場「マンションライフ需要」を深掘り
全国で430万戸の分譲マンションに1000万人以上の人が暮らしているらしい。東京都ではマンション生活者が全世帯の20%を突破した(なんと5世帯に1世帯がマンション生活者)。また首都圏で初めて住宅を購入する人の5割がマンションを求めているといわれ、賃貸マンションも含めれば膨大な数の人々がコンクリートの箱空間で暮らしていることになる。また東京に限らず大阪、名古屋を含めた三大都市圏の都心でここ数年、かつてないほど超高層マンションが凄まじい勢いで建設されている。
インテリア専門店が大規模マンションの開発が進む副都心のライフスタイル型商業施設に数多く出店しだす一方、コストの安い郊外大型店を中心に躍進してきたホームセンターも繁華街の大型ショッピングセンターに進出するなど、人口減社会を迎えるなかで人口集中傾向のマンション建設ブームにわく都心部の新興住人の購買力に期待をかける。つまり、一般に戸建て住宅に強いとされるホームセンターが逆転の発想で駅近のマンション需要の開拓に力をいれ始めたというわけだ。
こういった足を運びやすい立地を生かし、高額消費が見込める新築マンション住人向けにマンションライフを意識した商品を提案していくようだ。
2005年の統計によるとホームセンター一店舗あたりの人口は東京都は11万人強(全国平均3万5千人)と賃料が郊外にくらべ高いせいもあるが店舗密度は低く、飽和状態の郊外出店に対し、今後、潜在的に有望な市場ともいえるらしい。
高層マンションの眺望や立地の良さはひとつのステイタスとして新しい住居空間の価値観を私たちに提示したわけだが、まだまだそういった高層での生活スタイルに未体験な部分も多く、様々な制約もうけるようである。
限られた専有住居スペースをより快適にとデベロッパー間の設備仕様競争は激しく、戸建て住宅ではなかなか導入されにくいセキュリティ装備や床下暖房、浴室乾燥・暖房設備等が標準化されているなど、マンション装備は格段に進化を遂げている。
人口減社会が加速する一方、都心ならずとも郊外駅周辺まで供給過剰ともいえる程のマンション建設ラッシュ。前述の全国1000万人や都内世帯2割を占めるマンション生活者らのライフスタイルは千差万別といえど、それぞれのタイプで間取りやモジュールがある程度、画一化してきているわけで生活環境は戸建て住宅よりマーケティングが容易ともいえる。共通した悩みや希望があるわけで、そこにソリューションビジネスのヒントが多く隠されているはずだ。
今回の話題はインテリアショップやホームセンターがそれら優良顧客群の真ん中に出店をシフトさせた一例であり、これらマンション生活者側からの潜在的なニーズの掘り起こしやマンションライフ、ワンルームライフ需要の開拓に各業界、もっともっと本腰をいれるべき時代がきているといえます。 |