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こむづかしい話は時間のムダ、肩の力を抜いておつき合いください。

vol.17 2007.01.01

「本当に豊かな国」はニューリッチがつくる

このところ「格差社会」という言葉が盛んに使われているように、日本はいまやアメリカと変わらない階級社会に。今後、新富裕層を捉えたマーケティングが必要だ。と論じられている書籍を拝読した。著者は富裕層を対象としたマーケティング会社を運営、富裕層向けサービスを提供している方。
日本人は戦後の「人はみな平等」という民主主義のもと、「階級社会」というものを意識することがなかった。80年代には「経済大国、日本」と世界から、もてはやされ「一億総中流意識」が日本人のなかに浸透し、ながらく「階級意識」が欠落していた。さらに著者は、「スーパーリッチ=世界的な大富豪」はともかく、日本の富裕層を、代々の資産を引き継いできた「オールドリッチ」とバブル崩壊後に登場した新しい(例えばヒルズ族)富裕層「ニューリッチ」と、大きく2つに分類している。
上流、中流、下流と単純に捉えられてきた階級の3分類のなかで「ニューリッチ=年収5000万以上、金融資産1億円以上の人々」は中流の上であって、上流ではないと説く。上流とは「働かなくても暮らしていける、資本家、資産家」など。つまり少しでも働いていれば、それは「上流」ではないと、明確だ。
2005年、日本の富裕層人口は141万人、世界的レベルで富裕層は現在870万人。このうち3000万ドル(約36億円)以上を持つ「スーパーリッチ」は8万5400人いるそうだ。ということは世界の富裕層のなかで、日本はなんと16%以上を占めている。だだしその多くには100万ドル(約1億2000万円)以上の主たる住居を除く純金融資産を持つフツー?のお金持ちが含まれているとか。
そういった多くの新興富裕層のニューリッチたちは急に手にした富をどう使えばいいのか悩んでいるらしい。この悩みを解決するソリューションビジネスはスーパーリッチ層よりニューリッチ層に圧倒的に存在するらしく、富裕層向けサービスの潜在ニーズは測り知れないらしい。本当の上流社会(階級)相手ではビジネスにならないということだ。
数千万円はする高級外車、1億円は下らないクルーザー、1機50億円のプライベートジェット(そういえばホンダが最近、5億円を切る小型ビジネスジェットにての航空界参入を発表した)など、この日本には「ニューリッチ」というおカネを使いたがっているヒルズな人達が毎年、確実に増えている。ニューリッチたちのニーズを知り、それを掘り起こせば、大きなニュービジネスチャンスが生まれる。いつも日々のマーケティングにおわれる、メーカーやサービスのサプライヤーはぜひ一考したい。
   


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