100均ショップの「情報価値戦略」
100円均一ショップ各社の店舗展開に少し足踏み感がある。生鮮まで扱うコンビニ業態の均一ショップやコンビニ組の新規参入グループ等、各社入り乱れての出店政策や商品政策にもそれぞれ差異があり、客層ターゲットも含め市場におけるすみわけが明確化してきたようだ。「100円均一ショップ」はひとつの商業業態として「コンビニエンスストア」と同じく確実に社会的認識を得たといえます。
大手では100円のみならず200円、300円、500円、あげくは1000円と高額?商品も充実。今後、他店も追随する動きもあるようで消費者の商品選択に大きな幅をもたせたというか、100均商品にコスト的な市場限界が見えてきたともいえます。
確かに固定売価内でのモノづくりは受注マスメリットがある限りは、ある意味恒久的だったのかも知れない。為替の変動要因や長引く原油高による内外問わずの原料の高騰、海外生産依存の輸入物流コストの利益圧迫がこの業界に暗雲を漂わせてきているいうことか。バラエティショップさながらの時間消費型ショッピングを標榜した大手100均ショップのなんでもありのサプライズインパクトにも一消費者としてマンネリを感じないでも無い。
一時、口コミのコスメランキングサイトに100均化粧品がいくつも登場し、話題を集めたことがある。ネット上の「かきこみ情報」が多くの女性達を特定商品に買いに走らせた。100円商品にこだわりをもった象徴的な事例ともいえる。これらは使い分け消費とか、デフレ消費というより「情報価値消費」といえ、情報消費成熟社会の消費対象としての「情報価値」が100均コスメ市場で差別化され多くの消費者に支持されたということである。
これらのことは「消費」を商品の「機能価値」と「情報価値」の二つの視点からとらえなければいけないという「情報消費社会の成熟化」を私達に再認識させます。情報をいちはやく、企業経営の手段にとらえ企業経営の指針にできた企業のみが勝ち残れます。またデザインも情報の価値を付加することにおいては非常に役立ちます。
今後「情報価値」を商品、包装、店頭販促、広報においてより効果的に差別化し、市場規模をよく見極め、器に応じた適切な販売数量で提案していく戦略が最も必要です。 |